マラソンや持久走の序盤にランナーにデッドゾーンとセカンドウインドという現象が現れます。
- デッドポイント…スタートから数kmまでは身体が重くペースが上がらない状態
- セカンドウインド…スタートして身体が温まった頃に身体が軽くなり楽に走れる状態
デッドポイント・セカンドウインドともにレースの序盤に起こります。
この2つの現象はペース配分の調整が難しく、レース中盤~終盤での走りを左右する重要な場面といえます。
デッドポイントとセカンドウインドの乗り越え方を知っておくことで、マラソンの完走率やタイム短縮の近道となります。
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【マラソン・持久走】デッドゾーンのメカニズム

マラソンや持久走におけるデッドゾーンとは、スタートしてしばらくは身体が重くて呼吸が苦しく、走ることに慣れるまでこの状態が続くことを指します。
デッドポイントとも言われています。
走るといった運動をすると、身体は急に酸素や栄養(糖質)が必要になります。
身体が運動に慣れるまでは身体の血液循環や呼吸機能がついていけず、血流の不足や酸素供給が不足。
すると、息が上がって苦しく感じたり身体のだるさが現れます。デッドゾーンで無理をすると筋肉の疲労が早く起こってしまいます。
特に、走ることに慣れていない人はデッドゾーンで精神的なダメージを受けることがもっとも最悪。
「もう走りたくない」「歩きたい」と一瞬でも感じてしまうと足が止まってしまいます。
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デッドゾーンへの対策・乗り越え方
マラソンの初心者~中級者はデッドゾーンを気にしなくてもOKです。
むしろマラソンの序盤はウォーミングアップぐらいの感覚で走ったほうが後半にバテにくくなるので、序盤は「身体が重いな…」と感じるぐらいが丁度いいです。
ただし、「デッドゾーンという現象があるんだ!」ということを知っておかないと、「今日は調子が悪いのかな」と勘違いをしてしまいます。
ロードレースはウォーミングアップを念入りにやろう
マラソンの上級者や5㎞~10㎞のロードレースのようなスタート直後からハイスピードを必要とする競技の場合はデッドゾーンは不利です。
序盤に周りのランナーについていけなかったり、デッドゾーンで無理をして後半にバテたりするのでデッドゾーンを回避する必要があります。
デッドゾーンを回避するにはウォーミングアップを入念に行い、身体を走れる状態にしておくことがもっとも有効です。
特に身体が温まりにくい冬季では長めにウォーミングアップの時間を確保しておきましょう。
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【マラソン・持久走】セカンドウインドとは?

セカンドウインドとは、マラソンや持久走においてスタートしてから循環や呼吸が安定して楽に走れる状態になることを指します。
デッドゾーンを越えたあたりからセカンドウインドを感じるようになってきます。
ウォーミングアップを十分に行っている場合はすでに走れる状態になっているためセカンドウインドがありません。
マラソン初心者~中級者はマラソンスタート後、3㎞~5㎞を過ぎたあたりからセカンドウインドを感じやすくなります。
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セカンドウインドへの対策
「セカンドウインドは楽に走れるようになるから良い現象じゃない?」と思われるかもしれませんが、これが大きな落とし穴。
セカンドウインドが起きて楽に走れるようになったとき「あ。今日や調子がいいや!」と勘違いしてしまう場合があります。
楽に走れるからといってスピードを上げてしまうと、身体への負担に気が付かないまま走ってしまい、後半にその負担がドッと襲ってきます。
セカンドウインドの対策としては、スタートから20kmまでは身体が軽く感じてもイーブンペースを守ることが重要です。
序盤に楽に走れるように感じても「これはセカンドウインドだから楽なのは当たり前」と考え、調子に乗ってペースを上げてしまわないよう注意しておいてくださいね。
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【序盤の戦略】デッドゾーンとセカンドウインドを上手に乗り越える

マラソンの初心者~中級者ではデッドゾーンとセカンドウインドを特に感じやすいといえます。
スタート直後からハイスピードで走る上級者ランナーはウォーミングアップを十分に行っており、また42kmをイーブンペースで確実に走りきれる走力をもっているのでこの2つの現象は起こりにくいです。
マラソンの初心者こそデッドゾーンとセカンドウインドを理解しておいてください。マラソン本番でデッドゾーン・セカンドウインドを感じたときに、間違った戦略を取らないように気をつけておきましょうね!
