マラソン書評

高岡尚司「ゼロベースランニング」感想・レビュー

高岡尚司さんの著書「ゼロベースランニング」を読んでみての感想・レビューを紹介していきます。

 

高岡尚司さんベアフット(裸足)ランニングの先駆者であり、裸足でのフルマラソン日本最高記録(2時間45分39秒)をもつトップランナーです。

 

著書「ゼロベースランニング」では故障をしないためのノウハウが多く掲載されています。裸足ランニングに興味がなくても、故障に悩むすべてのランナーに読んでほしい一冊となっています。

 

ケガをせず走り続けるには?

マラソンランナーはケガとの戦いであるといっても過言ではありません。

マラソンは相手とコンタクトをするスポーツではないため、ケガ率は高くないと思われる方が多いのですが、小さな衝撃が反復して同じ箇所に加わり続けるため、非常にケガ(故障)の多いスポーツです。

 

体に痛みがあるということは、なにか走り方に間違いがあるサインでもあります。

 

なぜ痛みが起こっているのかという原因を探求し、『速く・長く・ケガをせずに走り続けること』は目標を達成するためには必要不可欠なマラソンスキルです。

ランニングフォームからみるケガの原因

ランニング動作とは重力による落下運動の力をスムーズに進行方向への推進力に変換する運動です。

 

人間が本来持っている体の機能・構造を調和させ、できる限り自然にランニング動作を行うことを「ナチュラルランニング」といいます。

 

ゼロベースランニングとは、このナチュラルランニングの概念をベースにして考えられたメソッドです。自然な走りを追求する裸足ランニングの第一人者ならではのメソッドですよね!

 

もちろん、裸足ランニングの愛好者だけでなく、普通にシューズを履いて走るランナーにとってもゼロベースランニングの概念は非常に有効です。

 

本書では、ランニング中に「なぜこのような痛みが起こるのか」そして「ランニングフォームが原因で起こるトラブル」が写真付きで丁寧に説明されていました。

 

ランニングフォームを変えることは簡単ではありませんが、毎回のようにケガを繰り返すことへの突破口になるかもしれません。

 

ランニング仲間と一緒にランニングフォームの自己診断をやりたくなるような一冊になっています。

 

人間本来の『走り』を手に入れる

クリストファー・マクドゥーガル著「Born to Run」では人間が元々備わっている自然な走りへの追求が描かれた名著ですが、具体的にどのように走れば自然な走りを手に入れられるのかというテクニックはこの「ゼロベースランニング」で詳しく紹介されています。

 

「ゼロベースランニング」はマラソンを完走し、タイムを追い求めるフェーズに突入された中級者~上級者向けの書籍ですが、専門用語が少なく読みやすいのでぜひ一度手にとってほしい1冊となっています。

 

管理人は裸足ランニングをしたことがありませんし、あまり興味もありませんが「どのような走りをすればケガを改善できるのか」という点では非常に参考になりました。

 

著者である高岡尚司さんはゼロベースランニングを広める活動として、全国でランニングクリニックも開催されています。

 

moshicomから検索できるので、興味があれば参加して本物のゼロベースランニングを体感してみてはいかがでしょうか。