トレーニング

マラソンで筋肉が減る原因と対策。ランニング練習はスポーツに必要?

野球やサッカー、ラグビーや卓球まで多くのスポーツでは練習でジョギングやランニングを取り入れています。

 

スタミナをつける目的もあれば、いわゆる「根性をつける」という精神面への効果を期待している場合もあるでしょう。

 

しかし、ランニングをやり過ぎると筋肉が落ちるのでは。と思いませんか?せっかくパフォーマンスの向上を目指しているのに、せっかく身に付いた筋肉が落ちてしまっては本末転倒ですよね。

ランニングによって筋肉が落ちてしまう原因

長時間・高頻度のランニングによって筋肉量が減少してしまうことは実際にあります。

ランニングをすると筋力が落ちてしまう原因を解説していきます。

①筋肉に蓄えられているエネルギーが使われるため

人間は活動するためは主に3大エネルギー(糖質・たんぱく質・脂質)を摂取して体内に蓄え、必要に応じてエネルギーが使われます。まず、エネルギーとして使われるのが糖質です。血液中の糖質や筋肉内でグリコーゲンという形で貯蔵されている糖質が使われます。さらに、体脂肪として蓄えられている脂質もエネルギーとして使用されます。

 

さらに長時間のランニングを行い、糖質や脂質が不足してエネルギー不足になると筋肉を構成しているたんぱく質がエネルギー源となるアミノ酸に分解されて活動するためのエネルギーとして消費されます。この現象を糖新生といい、筋肉量が減少する原因のひとつとなります。

②食事制限によるエネルギー不足

糖質や脂質が不足している状態でさらに運動することにより、筋肉量が減少していきますが、ダイエットなどの食事制限でエネルギーが枯渇している状態ではさらにエネルギーが不足する状況をつくってしまいます。

 

ランニングをするのであれば、しっかりと栄養バランスの整った食事はとても重要です。早く体重を落としたいからといって食事制限をした状態でランニングを続けてしまうと逆に筋肉量が少なくなってしまい、痩せにくい身体になってしまいます。

③低負荷な運動なので筋肥大しにくい

筋肉量を増やすには筋肉に強い負荷を与えて、負荷に耐えることができる筋繊維の太さ・数を増やしていく必要があります。

 

ランニングという動作は筋肉に与える負荷が小さいので、筋肥大しにくい運動といえます。もちろん、マラソンや長距離という競技に特化するのであれば細身でエネルギー効率の良い筋肉が最適になりますが、野球やサッカーのような瞬発的に強い筋力を発揮したいスポーツでは持久性に富んだ筋肉ではなく、筋肥大をさせて筋力を上げていく必要があります。

マラソンやランニングで筋肉を落とさないための対策

マラソンに向けてランニングに特化するとしてもスピードやコースの起伏に耐えることができる筋力は必要です。スタミナと筋力はバランスよく身につけておくことがパフォーマンス向上への近道となります。

では、長時間のランニングをしても筋肉を落とさないための効果的な対策をご紹介します。

対策①BCAAとプロテインを活用する

BCAAは筋肉で主に代謝され、エネルギー源となる必須アミノ酸の総称です。たんぱく質が分解された形になっているので、体内への吸収がとても早いことが特徴です。

 

ランニング前後でBCAAを摂取しておくことにより、ランニングによって筋肉に微細な損傷が起こったとしてもすぐに修復をすることが可能。BCAAは筋肉を増強するためのたんぱく質としてはかなり量がすくないのですが、その即効性が魅力。たんぱく質を多く含むプロテインと併用して摂取することにより筋肉の分解を抑制することができます。

対策②無酸素運動をトレーニングに取り入れる

マラソンに向けての練習でも、ゆっくりとした単調なジョギングばかりではなく、インターバルやレペティション、坂道ダッシュといった無酸素運動を取り入れましょう。

対策③筋トレとランニングを並行して実施

マラソンを完走できるくらいのレベルではとにかくスタミナを鍛えることが重要になりますが、サブ4以上のスピードが求められるレベルになると筋トレが必要になります。

 

筋トレは脚力を強化してスピードをつけることが目的でもありますが、筋力を強化して「故障しにくい身体」をつくる目的もあります。マラソンは長い距離を走り続けるという競技特性から、身体の同じ箇所に反復して衝撃が加わりやすく、故障が多い種目でもあります。

 

筋トレによって衝撃が加わっても耐えることのできる身体づくりも重要です。

各スポーツにおける「スタミナ」を強化する練習

テレビのマラソン中継を見ていると細身の選手ばかりです。市民ランナーはあの身体を目指したいものですが、野球選手のように鋭いスイングができる筋力やサッカー選手のような強いフィジカルになりたい場合には細身すぎる身体は逆に不利となります。

 

ランニングはスタミナをつける上で有効なトレーニングですが、もっとも望ましいのはその競技に必要なスタミナをつけること。

。要するに、サッカーでは90分間ピッチでプレイできるスタミナと90分間ランニングできるスタミナは異なります。

野球では1試合100投球できるスタミナと120分ランニングできるスタミナは異なりますよね。ランニングをしても競技中のスタミナが向上するとは限りません。その競技に特化したスタミナをつけることが大切なのです。

 

どんなスタミナを身につけたいのかをよく考えて練習メニューを消化するようにしたいですね。